Weekly Report
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「楽しもうロータリー!ファインコミュニケーションで」
東京六本木ロータリークラブ会長
令和4年9月26日発行 第723号
2022・2023年度 No.9
卓話『アフガニスタン:タリバン制圧から一年と今後』
同志社大学客員教授 元国連事務総長特別代表 山本 忠通様
場所:グランドハイアット東京
ご略歴
1950年生。広島県出身。1974年外務省に入省、入省後、在英国、フィリピン、米国大使館勤務。ウルグアイ・ラウンド・サービス交渉主席交渉官、南東アジア第一課長としてカンボディア和平を担当。外務大臣秘書官、北米局北米第一課長、在韓国及び在米国大使館政務公使、在米国大使館特命全権公使、ボストン総領事、外務省広報文化交流部長、ユネスコ日本政府代表部特命全権大使、アフガニスタン・パキスタン支援担当政府代表、ハンガリー国駐箚特命全権大使などを歴任。2014年11月から国連アフガニスタン支援ミッション(UNAMA)の事務総長副特別代表、2016年3月から2020年3月の任期満了まではアフガニスタン担当の国連事務総長特別代表(UNAMAの長)。
クラブからのお知らせ令和4年9月12日
会長挨拶
本日は急な体調不良で例会に参加できず、失礼いたしました。今日の会長挨拶でお話しできなかったことは、以下の通りです。
今月は「基本的教育と識字率向上・ロータリー情報月間」です。先週は渡辺ガバナー補佐から国際ロータリーの100年間の歴史についての卓話を頂きました。また毎号のロータリーの友からはジェニファーRI会長の精力的な動き、国内外の情報、地区からも様々な奉仕活動の形を知ることができ、啓発されますね。奉仕活動のヒントが見つかるかもしれません。
報告事項ですが、9月9日(金)に浅田パストガバナーが会長を務めていらっしゃる「バギオ基金40周年祝賀会」がホテルニューオータニ鳳凰の間で開催され、参加してまいりました。フィリピン側の関係者はもとより、北海道から沖縄までのRCから大勢の参加があり、久々に以前のような大きなパーティでした。この育英資金を受けて学び、活躍している若者も大勢参加し、流暢な日本語と満面の笑顔でそれぞれのチャレンジを語る姿が印象的でした。最後に全員で「手に手つないで」を歌いました。久しぶりで、本来のロータリークラブの姿を思い出し、嬉しくなりました。



以上
(記:今村会長)
幹事報告
本日の幹事報告は4つです。
- 青森県内は8月3日からの大雨により、河川の氾濫による冠水被害や土砂崩れによる大きな被害が生じております。第2830地区では青森県大雨災害支援本部を設置して、田中ガバナーを本部長として、青森県大雨災害支援金の受け付けを開始致しました。第2750地区もこれに賛同し、地区内全クラブに支援金をお願いすることに致します。本日、募金箱を設置させて頂きましたので1名500円以上の募金をお願いいたします。なお募金は22日まで受け付けておりますので事務局への振り込みでも対応いたします。
- 9月8日(木)バギオ基金創立40周年記念祝賀会がニューオータニで開催されました。バギオ基金の淺田代表理事・会長のおもてなしでパーティーが開催されフィリピンの伝統的な踊りなどを楽しんでまいりました。
- 東京あけぼのロータリークラブより「子どもと子どもの絵画展:ウクライナの子どもと日本の子どもの絵画を感じよう!」の案内が来ています。
開催場所:代官山ヒルサイドテラス アネックスA棟(渋谷区猿楽町29-21)
開催日時:2022年10月30日(日)12時30分~17時30分
レセプションパーティーもございます(登録料3,500円)。詳しくは事務局にお問い合わせください。 - 来週の例会は祝日によりお休みになります。次回例会は26日になります。
(記:谷口幹事)
2022-23年度 第3回理事会議事録令和4年9月5日
- 日時:
- 2022年9月5日(月) 13:30-13:50
- 場所:
- グランドハイアット東京2F「ドローイングルーム」
- 出席者:
- 〈理事〉今村・髙栁・安井(悦)・鈴木・高倉・谷口・松島・山中
- 〈理事会構成メンバー〉堀井・三田・柏原・岩成・小篠(議事録)
- 欠席者:
- 鳥居
(敬称略)
谷口幹事より開会の辞、今村会長より開会の挨拶があった。
【審議事項】
理事総数の過半数以上(9名)が出席のため、当クラブ細則第4条第5節により、理事会は成立した。
①国際ロータリー第2750地区RYLA2022審査結果等について(谷口幹事)
・当クラブが推薦していた石上会員紹介の楊 雪桜さん、齋藤会員紹介の濱﨑 麻由さんが審査の結果、受講資格を取得を報告。また、各受講生の受講料は1名30,000円への承認。
・開会式(9月17日)+ Awards授与式(9月19日)が国⽴オリンピック記念青少年総合センターで行われるのに際して、会長、幹事に加えて齋藤会員,鈴木会員,平川会員,小笠会員の計6名の出席が見込まれるが登録料が各人1万円がかかる。これについては2020-2021年度に制定した会合費負担判定フローチャートに基づき飲食を伴わない会合であることから全額クラブ負担とすることについての承認
全員賛成、議案は可決された。
【報告事項】
①定款・細則見直しのための戦略委員会発足の報告(谷口幹事)
現在、委員長の高栁さんを中心として見直しを進行中。10月中には見直しと提言をまとめて11月の理事会にて報告・承認をお願いするスケジュールで進めている。なお定款の見直しについては規定審議会による審議が必要とされていますが、規定審議会についての規定がないため、現在、どのように進めるのか確認中。
以上
(記:谷口幹事)
卓話『人文情報学時代の多言語化』令和4年9月12日
独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所 アソシエイトフェロー 呉 修喆様
わたしが前回ここに来たのは2018年の6月、夜間例会の時でした。その時は前年度に共同執筆した本を出版したことと、帝京科学大学の非常勤講師に就任したことをご報告したと思います。現在は奈良文化財研究所に採用され、任期付きの研究職ですが、久しぶりに思い切り研究をしています。
少し遡って2020年8月のことでした。当時奈良文化財研究所に就職することが決まって両親に知らせたところ、「文化財研究所というのは、すなわち中国でいう文物研究所なのか」という質問を父から受けました。なぜなら、日本と中国の各メディアでは、しばしば日本語の文化財を中国語の文物(wénwù)の対訳語として使っているからです。ちょうどその頃わたしは文化財保護法について勉強しており、「日本の文化財は中国の文物と範囲が違うから、そうとは言えない」と答えました。
では、具体的にどう違うのでしょうか。まず語源を見てみますと、日本で文化財という言葉を最初に使ったのは、おそらく左右田喜一郎という経済哲学者です。1919年に「文化主義の論理」という記事の中で、文化財をドイツ語のkulturgüterの訳語として、「文化生活全般の裏における一方的努力の所産」と定義付けました。ただし、この文化財という言葉が一般用語として定着したのは、第二次世界大戦のあと、英語のcultural propertyの訳語として、特に昭和25年に文化財保護法が成立したあとのことです。注意しなければならないのは、英語のcultural propertyの概念には未だに普遍的な定義が存在しません。関連する国際公約やユネスコが採択した勧告などを比較すると、cultural propertyに関しては各国の裁量に任せる部分が大きいことが分かります。そして、同じ漢字を使っていても、日本語の文物と現代中国語の文物(wénwù)は意味が異なります。中国語での文物(wénwù)はモノに限定するのが特徴です。中国ではそれを一般的にcultural relicsと訳します。そして骨董品を指す場合もありまして、そういう場合はantiqueと同じ意味になります。
なぜ文物(wénwù)がモノに偏ってしまっているのでしょう。そこには中国の考古学が発展してきた経緯、歴史的な要因が関わっています。中華人民共和国が成立したあとに発展してきた学術分野は、ほとんどがソ連をモデルにしていました。ソ連を真似して「物質文化史」という言葉を使い、その影響によって、中国の考古学分野においては物質以外の面の研究は少ないとも言われています。そしてもう一つの理由として、日本語の文化財という言葉に対するちょっとした抵抗感が挙げられます。実は近代日本の翻訳語、特に政治や哲学、学問や思想の基本用語は中国に輸入されていましたが、文物(wénwù)という用語が既に浸透しているという理由以外にも、戦争による負の記憶や感情が関わっていると思います。
こうして中国の文物保護法(Wénwù Bǎohùfǎ)は日本より30年ほど遅れて1982年に制定されました。その対象範囲はおよそ日本の有形文化財、民俗文化財の中の実物、記念物の一部、そして伝統的建造物群に該当しますが、そのあと2011年になってようやく、それを補った形で非物質文化遺産法が制定され、物質専門の文物保護法と物質以外専門の非物質文化遺産法、この二つの法律を合わせてようやく日本の文化財保護法に近い対象範囲をカバーできるようになりました。
調べた結果をまとめると、文化財と文物(wénwù)は語源や意味から見ても法律の対象範囲から見ても、完全に一対一で対訳となれるような概念ではありません。法律用語の文化財と文物(wénwù)は固有名詞ですので、訳せずに元の漢字を使うべきだと思います。中国科学技術情報研究所が公開しているチャイニーズ・シソーラスで日本語の「文化財」を検索すると、推奨する英語訳は日本語のローマ字表記のbunkazaiとなっており、つまり英語の中の日本語由来の固有名詞と同じ扱い方となっています。わたしが出した結論は、文化財は文化財、文物(wénwù)は文物(wénwù)、それぞれの表記を維持するということですが、見た目的にまるでなにも訳していないように見えますが、慎重に訳し方を決めています。
ところが、訳し方というのは時代と共に更新されていくものでもあります。ユネスコが2003年に無形文化遺産保護条約を採択したことをきっかけに、世界中にcultural property(文化財産)という用語からcultural heritage(文化遺産)への用語チェンジが起きています。文化財産は国レベルのもので、固定的・実物・所有権などのイメージが伴いますが、それに比べて文化遺産を語る時の主体は、世界・人類であるので、公共的なイメージがあります。人類全員で保護して存続させて、伝承させるという意味合いが強いです。文化遺産という新しい用語が国際的に広く使われるにつれて、今まで各国で使用されていた訳語や造語は徐々に統合されていく動きがみられます。ですから、日本語も中国語も、いずれは文化遺産という言葉に統合されていくのではないかと思います。
多言語化という仕事は、このように、法律の対象範囲を比較したり、漢字圏言語の間に生じた微妙なズレを、第三言語の英語を経由して「調律」してみたり、世界的な動きに応じた新しい適切な訳語を提案することがメインとなります。多言語化と聞くと、多くの人は異言語間翻訳を連想しますが、実際のところは言語の種類に関わらず専門的な知識を非専門家にうまく伝えるための、サイエンス・コミュニケーションの役割も担っております。
文化財情報研究室の多言語化チームでは、展示関連の翻訳やYouTubeの字幕といった普通の翻訳をはじめ、リーフレットのプロデュースなども行っています。展示関連の翻訳は普通の翻訳とも言えますが、専門的な用語に関しては調査と議論を重ねて慎重に決めています。木簡に関するリーフレットは英語・中国語・韓国語版でデザインも内容もそれぞれ違う、楽しめるものを作成しました。また、奈文研の収蔵品データベースは元になる日本語版は存在しないので、資料を集めるところから作り上げました。そして毎年自ら手掛けた事業を事例に、様々なノウハウや調査結果をまとめた、『文化財多言語化研究報告』という報告書を刊行しています。中には書下ろしの研究論文、多言語化事業の報告、さらに、これから多言語化の参考になるような関連用語のリストなども掲載しています。境界を越えた情報発信を実現するために、これらの報告書は全てインターネットで公開しており、誰でもアクセスが可能です。
人文情報学時代の展望について
人文情報学とは、簡単に言えば、デジタルツールや情報学の技法と技術を人文学に応用する学問です。今まで研究者たちが手作業で行っていた膨大なデータ整理の作業を、これからの時代はデジタルの力を借りて省力化していくとともに、新しい知見の発見を目指すものです。この学問の重要性を国レベルで唱えたのは、日本学術会議が2017年に出した提言です。提言の中には、日本の人文学における現状と課題が書かれています。ひとつは、言語と情報が乗り越えるべき2つの大きな壁であること、もう一つはデータベースへのアクセスの可否が研究の質に直結していること、となります。これは5年前の提言ですが、今はまだ少しずつ世界の流れについていくような段階です。このような現状を踏まえて、人文情報学(デジタル・ヒューマニティーズ)の時代の多言語化はどうすべきかについて、わたしなりに展望してみました。まず一つはオープンサイエンス、要するに研究成果を門外不出のものとして貯蔵していくのではなく、タイムリーに発信して、より開けた科学研究に発展していくことです。そしてプログラミング、これは情報化時代において外国語と同じくらいに不可欠な技能となっているでしょう。プログラミング言語も多種多様ありますので、これからの多言語化は機械言語も視野に入れたほうがいいのではないかと思います。そして何より大事なのは、やはり教育です。今はグーグル翻訳やDeepLというディープランニング技術を使った機械翻訳は、既にかなり精度が高くなっています。もう人間による翻訳が要らないのではないかと考える人も少なくないと思いますが、しかし忘れてはいけないのは、そういった技術を発展させるには、やはり人間の研究が基盤となっているということです。自然災害が頻発する時代に、通信障害や停電もしばしば起きています。そういった場合、外付けのデジタルツールを使えない時に、人間が体一つでどこまでできるのかということが問われます。ソフトウェアのバージョンアップだけではなく、人間自身もバージョンアップしていかないといけない、とわたしは考えています。そして、今は世界中に保守的な思想が強まっていて、グローバル化されていたはずの世界は再び分断に陥る危機が迫ってきています。だからこそ、共生=共に生きるということの尊さを再認識しなければなりません。これからも人間同士を繋げるためのネットワークを構築していかなければなりません。本日の卓話で少しでも貢献できたら幸いです。
ご清聴ありがとうございました。
慶事会員一覧
9月のお誕生日
| 9月5日 | 日向 理元(ひなた まさもと)さん |
| 9月6日 | 片岡 雅敦(かたおか まさあつ)さん |
| 9月7日 | 髙栁 公康(たかやなぎ きみやす)さん |
| 9月10日 | 淺田 豊久(あさだ とよひさ)さん |
| 9月24日 | 梶川 融(かじかわ とおる)さん |
| 9月24日 | 苅田 吉夫(かりた よしお)さん |
| 9月24日 | 森 佳子(もり よしこ)さん |
| 9月30日 | 佐藤 克宏(さとう かつひろ)さん |

ニコニコBOX情報
淺田 豊久さん
バギオ基金40周年祝賀会に当クラブから今村会長渡辺G補佐をはじめ多くの皆様にご参加賜り誠にありがとうございました。
大橋 裕治さん
呉修喆様、本日の卓話を楽しみにしておりました。どうぞよろしくお願い申し上げます、
小笠 裕子さん
呉修喆(ご しゅうてつ)様、本日は、ようこそお出で下さいました。宜しくお願い申し上げます。
苅田 吉夫さん
9月24日に誕生日を迎えます。何とか元気に一年を過すことができたことに感謝します。
小篠 ゆまさん
呉様、本日の卓話楽しみに致しております。どうぞ宜しくお願い申し上げます。
鈴木 聡子さん
呉様、本日はお越しいただきありがとうございます。
山中 祥弘さん
呉様の卓話、楽しみにしております。
渡辺 美智子さん
淺田会長、バギオ基金40周年記念祝賀会ご盛会でなにより、おめでとうございます。
深田 宏さん
1952年のコロネイシェン・ロンドンの外交団席に居ました。1975年東京での宮中晩餐会コクテルの時など通訳のためお供をしました。アスコットでの楽しそうなお姿がなつかしいです。
池田 泰義さん
呉修喆様本日の卓話とてもたのしみにしています。どうぞよろしく願い致します。
柏原 玲子さん
呉修喆さん、本日の卓話楽しみにしております。どうぞ宜しくお願い致します。
劒物 美紀子さん
秋の気配を感じる様になりました。美味しい物を楽しめる季節になりました。
9月12日のお食事

9月12日の例会出席率(暫定)
- 会員の例会出席数(出席率) 32名(63%)
- ゲスト・ビジターの参加者数 1名
※メーキャップを含めていない暫定の人数です。
次回のプログラム
令和4年10月3日
卓話『東京、ときどき東川「二拠点生活で見つけた豊かさ」』
ハースト・デジタル・ジャパン モダンリビング 発行人 下田 結花様
場所:グランドハイアット東京