東京六本木ロータリークラブ




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Weekly Report

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「つなげようロータリーの 丸で囲んだ「わ」 ! 」(=和・輪)
東京六本木ロータリークラブ会長
令和4年6月13日発行 第712号
2021・2022年度 No.39

本日のプログラム
令和4年6月13日
本年度を振り返って
各委員長
場所:グランドハイアット東京

クラブからのお知らせ令和4年5月30日

会長挨拶

皆様こんにちは

コロナワクチンの4回目の接種券がいよいよ発送されます。3回目のワクチン接種率は全人口の58%で、特に高齢者の接種率は88%を超えています。だが20~30代の接種率は40%程度にとどまるそうです。これも、コロナに対する認識の違いによるもののようです。

昨日は今年初めて夏日となり、日本各地で30度を越えました。久々に太陽の明るさを見て、なぜか気持ちが明るくなりました。これまでにロシアのウクライナ侵攻など、色々なことがあったためかもしれません。一刻も早く、夏を楽しめる平和な時代に戻って欲しいと思いました。

本日は、一般社団法人Earth Company代表理事 濱川 明日香様の卓話がございます。どうぞ宜しくお願い致します。

(記:柏原会長)

幹事報告

  • 六本木クリーンアップについて
    5月28日(土)の六本木クリーンアップに参加いただいた皆様、ありがとうございました。
    次回は、6月18日(土)を予定しているとのことです。正式な案内が届きましたら、改めてご連絡いたします。
  • 次回の例会について
    来週6月6日は休会です。次回例会は、再来週の6月13日です。
    6月13日の例会は、「本年度を振り返って」ということで、各委員会から今年度の活動報告をご紹介いただきます。
    委員長の皆様は、ご準備のほど、よろしくお願いいたします。なお、当日委員長が欠席される場合は、副委員長又は代理の方をお手配いただきますよう、お願いいたします。
  • 新旧合同理事会の件
    6月13日の例会終了後に、新旧合同理事会を開催します。今年度及び次年度の理事及び理事会構成メンバーの方は、ご予定いただきますようお願いいたします。

以上

(記:高倉幹事)

その他報告

六本木クリーンアップ報告

5月28日土曜日に、今年度3回目の六本木クリーンアップが行われました。

前回までは、コロナの影響に鑑み、上限50名で行われましたが、今回からは上限80名となりました。

六本木クリーンアップの様子1

お天気もよく、暑いくらいでしたが、1時間ほどかけて六本木交差点付近のごみ拾いを行いました。

ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

六本木クリーンアップの様子2

次回は6月18日(土)の開催を予定しているとのことです。多数の皆様のご参加をお待ちしております。

以上

(記:高倉幹事)

卓話『FUTURE TRADITION~日本発のラグジュアリー世界を目指して~』令和3年11月1日

ファッション・ジャーナリスト/アート・プロデューサー/株式会社アートダイナミクス代表取締役社長 生駒 芳子様

ファッション・ジャーナリスト/アート・プロデューサー/株式会社アートダイナミクス代表取締役社長 生駒 芳子様

わたしは元々ファッション雑誌の編集者で、VOGUEとELLEの編集者をしており、トレンドをキャッチしてご紹介する仕事をしてきました。パリコレクションやミラノコレクションに通っている中で、20年前に地球温暖化という変化を肌で感じました。通常コレクションの頃は寒いので、ブーツやストール、毛皮を着用するのですが、それらが着用できないほど、ぐんと暑くなってきたのです。こんなふうに地球の気候が変化してしまったら、ファッションや半年おきにトレンドを送り出しているシステムはどうなるのだろう。そこからわたしの観察ポイントのチャンネルが1つ増え、地球温暖化に対してファッションがどう対処できるのかを見ようと思いました。

環境問題とラグジュアリーはほど遠いような感覚があると思います。しかしその中でルイ・ヴィトンが真っ先に、空輸を半分船便にしてCO2を削減します、全社を挙げて環境問題に対処しますと宣言しました。わたしはそこで、『エコとラグジュアリーは繋がる』ということに気付き、フェアトレードやオーガニックコットンに注目をしはじめ、marie claireに移ってから、2007年に『エシカルファッションが未来の扉を開く』という記事を作りました。それは、大量生産、大量消費、大量廃棄はこのままでは突き進めないだろうという編集者としての勘でした。

FUTURE TRADITION計画~日本初のラグジュアリー世界を目指して~

2010年にファッションコンクールの審査員で金沢を訪れた際に、加賀縫い、加賀友禅、象嵌の3カ所に連れて行っていただき、伝統工芸の世界に出会いました。その美しさとクオリティの高さに衝撃を受けましたが、作家さん全員が「僕らには未来はない」とおっしゃっており、販路がない、何が売れるか分からない、後継者がいないという3つの可能性を全部絶たれた状況でした。金沢から東京に戻ってすぐ、ローマの職人と日本の職人さんをコーディネートしてほしいとフェンディジャパンの社長から声がかかり、その後すぐに彼らと金沢とを繋ぎ、半年後には、伊勢丹でイベントを行いました。そして東日本大震災が起こり、わたしたちのライフスタイルってなんだろう、モノってなんだろう、ファッションどころか生活そのものを見直さなければと、大きく心を揺さぶられました。わたしたちがこの国に生まれて、この国の宝を眠らせてしまっているのではないかと思い、もう一回自分たちの足元を見直そうよとわたし自身が思えたのです。Back to roots これがわたしの人生をシフトさせた大きなきっかけとなりました。

世界中の伝統工芸を見てみると、トップ3はフランス、イタリア、そして日本です。フランスとイタリアはラグジュアリーブランドがたくさんありますが、日本は、例えば着物文化をベースに考えると、着物文化と洋服文化が分断されています。イギリスのヴィクトリア&アルバートミュージアムでは歴史を大切にしており、衣服の文化を大事に保存し現代に繋ぐ活動をしています。わたしには日本で着物から原宿のストリートまで繋がる文化を見ることができる場所、日本のヴィクトリア&アルバートのようなミュージアムを作りたいという構想が頭の中にあります。分断されたままの着物の文化が棚の上にあげられたままになっているなという印象があり、まだまだ眠っている古典的な素材や技術を現在に活かすために2016年から手掛けているのがオリジナルブランド『HIRUME』です。

伝統工芸に目覚めた頃、堀木エリ子さんという和紙の作家さんに「生駒さんが今伝統を作らなかったら、今革新しなかったら、未来に伝統は無いのよ」と、ものすごく強い言葉をいただきました。その言葉がすごく頭に残っており、HIRUMEのメインコンセプトになっています。加賀縫いのスカジャンや江戸小紋のスカーフ、会津塗のハングルやブローチなど、一見伝統工芸だとは思わないようなものですが、伝統的な技術や素材で、なんかかっこいいなという入口で入っていただけるといいかなと思います。

わたしはLEXUS NEW TAKUMI PROJECTのMENTORを4年続けており、隅研吾さんをはじめ、全国47都道府県の作家さんと組んで、一見伝統工芸であるとは分からないような作品や、女性であれば手に取ってみたくなるようなものを開発しています。有田焼の豆皿、モダンな盆栽、お正月の飾りなども紹介しており、ほとんどが若い作家さんの作品です。またサイズが合わないとか、少し汚れてしまった着物を蘇らせる仕事をしようと、アップサイクリングプロジェクトも始め、色々な意味で丁寧に使われてきた世界で一番エコでエシカルな伝統衣装が着物ではないかなということで、原点を今一度見直したいなと思っています。

エシカルはすごく重要なことではないかと思って長年関わっており、ロータリーで『人を思いやる気持ちや自分だけが得をするのではない』という言葉をお伺いし、利他の精神が美しく、エシカルを志していらっしゃると思い嬉しくなりました。

伝統工芸とエシカルを組み合わせることは、地場産業や少量生産という意味でもマーケットの中では値が張りがちで、実は非常に不利な領域ではあります。しかし物語のあるものが欲しい、長く愛せるものが欲しい、地球や人に優しいものが欲しいという消費者の気持ちが強くなってきましたので、手作りで時間がかかるものやクリエーターの方と組んで、新しい発想の KINOMO=ファッション×着物という領域を作っていきたいと考えています。

ここからはわたしの活動についてご紹介いたします。

日本エシカル推進協議会

エシカルは簡単に言うと、環境を守ると同時に人権問題や動物福祉まで含まれます。これからはエシカルをしっかり見据えて活動することが良いガバナンスやEGS投資に繋がるということで、企業向けにエシカル基準を作りました。社会に広めることを目的としており、開設するアカデミーもこの10月から開催し、来年春以降はエシカルアワードもできたらいいなと考えています。

コロナ禍で大風が吹きました。ファッションショーはデジタル発信となり、ファッション界は生まれ変わってしまいました。この秋からやっとパリでリアルが始まりましたが、デジタルにも良さがあるという声もあり、現在はミックスされている状態です。ですので、今後全部がリアルに戻ることはないだろうと思います。飛行機を飛ばすとCO2が出てしまうのでコレクション取材には行かないと宣言している出版社もあります。さらにフランスでは2020年2月に衣服の廃棄を禁止する法律が作られ、企業は一切燃やすことができなくなりました。その後アメリカのVOGUEの編集長はショーや展示会を乱発するような状況を辞めましょうとおっしゃり、パリのドリス ヴァン ノッテンもスローダウンしようと業界に提示するなど、産業としてのシステムの見直しが大きく始まりました。日本では、 2020年の7月、日本のファッション・サプライチェーンに透明性を持たせよう!という趣旨の提言書を環境省に提出し、当時の小泉大臣に重く受け止めていただきました。環境や人にも思いやりのあるファッションであるべきという号令が世界中で出てしまったので、生まれ変わらなければいけません。わたしは伝統工芸もエシカルの一環として考えています。限られた資源の中でより良いものを作り、皆さんに長く使っていただくこと。一番良いサステナブルファッションは、自分が気に入ったものを見つけて長く使ってもらうことだと考えています。

日本和文化グランプリ

元文化庁長官の近藤誠一さんが代表理事を務め、日本文化がなかなか広まりにくい中、次の世代に繋ぐために支援をしようということで、始まったプロジェクトです。

わたしのもう一つの顔が、モデル冨永愛の個人事務所の社長です。彼女自身も伝統工芸を応援してくれていますし、消費者庁のエシカルライフスタイルSDGsアンバサダーを務めていますので、自分たちの事業も重ね合わせながら色々なプロジェクトを仕立てているところです。

ラグジュアリーの概念自体が変化してきています。ただ単に見た目が華やかで豪華なものというラグジュアリーの時代から、本当の意味で豊かな時間が持てる、豊かなコミュニケーションが取れる、物語があるというサステナブルとエシカルは今、ラグジュアリーの第一要素になっています。そしてこれからのラグジュアリーの重要な点は『体験すること』。ものを買って終わりではなく、どのようなことを体験するのかということが重要になってくると思います。そしてデジタルから離れることがラグジュアリーであるというデジタルデトックスの時代、デジタルとアナログを行き来するようなライフスタイルが作られていく、あるいはわたしたちが作っていかなくてはいけません。わたしたちの心や美意識が豊かになるようなラグジュアリーを日本から発信していければと思っています。わたしたち自身がわたしたちの持っている宝を再認識して、また新しい価値を付けて世界に紹介していくことができたらいいなと考えて活動しています。

ロータリーがエシカル・スピリットの聖地だということが分かり、本当に嬉しくなりました。

本日はご清聴ありがとうございました。

卓話『Luxury Market Overview LVMH in Japan』令和4年4月4日

LVMH モエヘネシー・ルイヴィトンジャパン株式会社代表取締役社長 ノルベール・ルレ様

LVMH モエヘネシー・ルイヴィトンジャパン株式会社代表取締役社長 ノルベール・ルレ様

世界のパーソナルグッズの市場規模は、1996年から現在まで、二十数年の間に4倍に発展しました。現在の市場規模は約38兆円です。2020年にはコロナで市場規模がずいぶん落ちましたが、2021年には2019年のレベルまで戻り、非常に元気なマーケットです。

LVMHは1987年の設立で、ワイン&スピリッツ、ファッション & レザーグッズ、パフューム & コスメティクス、ウォッチ & ジュエリー、セレクティブ・リテーリング, その他のSix divisionでやっているグループで、メゾンは70以上入っています。

主なメゾン

ワイン&スピリッツ 1365年に設立されたクロ・デ・ランブレイに始まり、ドンペリニヨン、モエ・エ・シャンドン、ヘネシー、ヴーヴ・クリコ、シャトー・シュヴァル・ブラン、クリュッグなど、だいたいメインはシャンパンとコニャックヘネシーとワインです。最近ではウイスキーにも力を入れており、また富山県で蔵を作って、日本酒も始めることになりました。

ファッション & レザーグッズ 最も有名なLouis Vuittonをはじめ、Dior、Fendi、CELINE、LOEWE、BERLUTI、KENZOなどが入っています。

セレクティブ・リテーリング メインの会社はSEPHORA、パリにある百貨店LE BON MARCHÉ RIVE GAUCHE、DFSは沖縄にもギャラリアという名前で入っています。

パフューム & コスメティクス メインはPARFUMS CHRISTIAN DIOR、そしてGIVENCHY、GUERLAIN、KENZO PARFUMSなどがあり、1803年に設立されたOFFICINE UNIVERSELLE BULYは、去年の11月に買収をしたフランスの伝統的な会社です。

Other Activity カフェのCOVAをはじめ、クルーズの会社も持っています。パリの郊外にあるナポレオン3世の時代に作った遊園地JARDIN D’ACCLIMATATIONや再開発したばかりのSamaritaine百貨店、高級ホテルのビジネスもしています。

ウォッチ & ジュエリー CHAUMET、TIFFANY & CO.、TAG HEUER、ZENITH、BULGARI、FRED、HUBLOTなどが入っています。TIFFANY & CO.はご存知のようにアメリカの会社ですが、去年の1月にグループに参加をしました。

ベルナール・アルノーはグループを作ったわたしたちのCEOです。アルノーがグループを考えた時のビジョンは、明日、来月、今年のことは気にせず「長期的」ということでした。アメリカで活躍をしていたアルノーは、フランスにあるDiorを所有する繊維会社ブサックを買収し、当時の長期的なビジョンを一切変えずに続けてきました。scientificな方なのですが、もし生まれ変わったらどうしたいかと聞かれた時の彼の答えは「architect」ビルディングデザイナーと答えています。わたしたちの仕事はブティックを作る事で、最近の例としては、大阪御堂筋のLouis Vuittonで、ファサードデザインは日本の有名な建築家の青木淳先生です。わたしたちがブティックを作るときは、ビジネスのためではなく、その土地の歴史や町とのハーモニーを考えながら建物として残すために作っています。もう一つの例として、皆さんご存知のように銀座は元々海でした。これを受けて銀座並木通りのLouis Vuittonは波のような形で作られています。

ブランドビジネスは社長やCEO、デザイナーによって変わりますが、わたしたちは長期的なビジョンの成長をファミリーとして行っています。上場企業であり会社の66%を持っていますので、非常に安定をしている会社です。またヨーロッパにある会社としては企業価値が一番高く、お客様が長く残るような投資をしています。70社以上が入っているグループであり、中には歴史の長い会社もありますが、いつでも初心を大切にして勉強し、貢献し、モチベーションを上げていかなければならないと考えています。

売上の比率を見てみると、ファッション & レザーグッズ62%、ウォッチ & ジュエリー22%、次にワイン&スピリッツとパフューム & コスメティクス、最後にセレクティブ・リテーリングとなっており、やはりわたしたちの大きなビジネスユニットはファッション&レザーグッズです。地理別に2019年と2021年を比較すると、アメリカが24%から26%に上昇、地元マーケットのフランスは9%から6%、アジアは30%から中国のマーケット成長により35%に上がっています。日本は2019年も去年も7%とコンスタントな国で、経済が落ちているという話もありますが、わたしたちは日本の経済は強いと思っています。コロナで海外に行く方が少なくなり、コロナのルールを守りながら国内でお金を使うという流れができていると感じています。

FutureはFantasticです。わたしたちはこの会社で前向きにポジティブに考えています。子どもや孫の世代のための仕事をきちんとしなければなりません。1つの例として、毎年LVMH PRIZEの受賞者を選出し、賞金やLVMHグループの社長のMentorとしての役割を与えています。うまくいけば会社に資本協賛してもらえることで、ヤングデザイナーを応援できるような取り組みを行っています。

ビジネスと同時に文化やアートにも力を入れています。パリの郊外にあるFondation Louis Vuittonは、アメリカの建築家フランク・ゲーリーさんが作った建物です。エキシビションやデモンストレーション、コンサートなども行っており、パリにあるアートシーンとして非常に大事な場所となっていますし、表参道や御堂筋のLouis Vuittonにもアートのピースを展示させていただいています。また3.11のあと、子ども向けのアート展示を行ったり図書館が入って施設を、福島県相馬市に作りました。

わたしたちはモノを作る時、長く長く使っていただくことを考えています。わたしは先週TIFFANY & CO.の時計を買いました。いつか息子に受け継ぎ、息子は孫に受け継ぐと思います。このように長期的なビジョンを考えて作られたものを長期的なビジョンを考えて購入することで、モノを捨てずにSustainabilityを守ることにも繋がっていくのではないかと思います。

本日はご清聴ありがとうございました。

卓話『香りの道』令和4年4月11日

志野流香道二十一代家元後嗣 一枝軒 宗苾様

志野流香道二十一代家元後嗣 一枝軒 宗苾様

1478年、わたくし共志野流の初代がこの年に足利義政と香の会を行ったという記述が残っています。遡ると500年前から作法を一度も変えることなく続けてきました。

香道では香りを「聞く」と表現します。なぜ聞くというのか誰も教えてくれません。見て盗む、やらなければ分からない、やっていれば分かる、という世界です。わたしもお香を聞くということはこういうことかなと、なんとなくしか言えません。ただひたすら香りを通して自然界の声を聞き、その中で自分がなぜ生まれたのか、どうやって生きていくのかを教わり、そして最後は自分を知るということかなと最近気付きました。20代家元であるわたしの父は、いまだに朝から晩まで勉強をし日々香りと向き合っています。わたしも父の後ろ姿を見ながら、またお叱りを受けながら学んでいる最中です。

わたしは父まで一度もバトンを落とすことなく続けてきた家元の一番下にいて、勉強、努力の日々ですが、今まで気付かなかった20人の家元の重さが肩に乗った日がありました。ちょうど1年前の4月25日、京都の上賀茂神社さんで神事があり、特別な衣装、特別なお手前、特別な香炉、香木で初めてお香を届けさせていただきました。普段父が座っていた場所に座った時、涙が出てきました。こんなプレッシャーの中で神様に香りを届けるということを、たった1人で40年近くやってきた父。同時に歴代の家元20人の重さに気付きました。まだ父には長生きをしてもらい、見て盗んでいきたいと思いますが、ちょっとずつ時代の移り変わりもあるのかもしれません。

白檀、麝香、龍涎香、乳香、没薬など、世界には色々な香料がありますが、香道では香木1つ1つの香りを聞き分けることをします。500種類1000種類を聞き分けることで五感が鋭くなり、第六感、直観力、洞察力が身についてきます。感覚の扉を閉ざしている、忘れてしまっているわたしたちに、色々な感覚を蘇らせてくれます。

一番有名な香木は「蘭奢待」です。聖武天皇の時代に中国からプレゼントされたとあり、奈良の東大寺正倉院に収蔵されています。蘭奢待の漢字をご覧いただくと、東大寺という漢字が隠されているのがお分かりでしょうか。蘭奢待は別名「東大寺」とも呼ばれています。

蘭奢待は、当時の権力者たちがどうしても手に入れたいものでした。長い歴史の中で唯一切り取ったのが、志野流が香道をはじめたきっかけである足利義政、織田信長、明治天皇の3人と言われています。

ラオスやベトナムのジャングルの中に生息している香木、まだ全ては解明されていないと言われています。今わたしたちはコロナと戦い共存していますが、木はバクテリアと戦っています。折れた傷口からバクテリアが入らないようにするために自ら樹脂のようなもので固めます。その黒ずんだ部分がとんでもなくいい香りを放ちます。ということは、香木は健康な木ではありません。長い時間をかけた自然治癒力、自然に任せた偶然なのです。

お茶の流派はたくさんありますし、お花、能、狂言、歌舞伎、色々あります。しかし香道は流派も少なく、お弟子さんも多くありません。お茶とお花は毎年日本で栽培ができますが、香木は人間が作れない、国内で採れない、だから貴重です。香道は火加減が重要で、夏と冬では気温も湿度も違うので一筋縄ではいきませんが、自分の経験値で香木が持っている最高のパフォーマンスを出してあげます。煙を出さずに温め、香木が持っている本当の香りを優しく出してあげます。そして最後は心です。一生懸命心を込めてお手前をすると、いつもよりいい香りを出してくれます。中国では海南島や香港の近くのプランテーションで香木を作り始めていますが、人間の念が入った香木、香りはまだ天と地の差です。1+1=2ではないということ、人間が考えられる世界ではないということは、不思議なようで当たり前なのかもしれません。わたしたちは産業革命以降、モノ、モノ、モノと言って、目に見えるものが真実であると信じてきました。しかしこれからは目に見えないものが重要になってくると思っています。

今まで500年続いてきた香道を、わたしは新しい香道に繋げていこうと考えています。ただ単に香道ができればいいのではなく、たくさん自然の命をいただいてきた恩返しとして植林を行い、また東南アジアにプランテーションを作り、雇用を生み、皆が繋がっていけるような活動も考えています。日本に生まれて良かった、命をいただいて良かったと思えるような活動をしていきたいと思っています。

初代志野宗信からずっとバトンを繋いできました。わたしは家元になることに向き合うのにかなり時間がかかりましたし、父の後ろ姿を見ながら、まだ今歩いている途中です。またわたしが最終ランナーとしてゴールするわけではありませんので、子どもや孫が繋いでいくという長いスパンで考えており、日本だけではなく世界中の人たちが毎日幸せに笑顔で過ごせるような国づくり、地球づくりをすることが、わたしたち家元のひとつのお役目かなと思います。

お香の香りは本当に素晴らしいです。きっと笑顔になると思います。今後とも香道と志野流をよろしくお願いいたします。

本日はご清聴ありがとうございました。

ニコニコBOX情報

淺田 豊久さん

6月1日に「東京バリアフリーマインドRC」チャーターナイトが開催されます。特別代表として参加します。

深田 宏さん

安治川親方(元安美錦)の断髪式出席のため両国の国技館に行きました。大盛会で超満員でした。生れて初めて人の髪を五ミリ切りました。

池田 泰義さん

濱川明日香様本日の卓話とてもたのしみにしています。よろしく願い致します。

今村 道子さん

暑くなりましたね。身体がついていきません。濱川様、本日の卓話、学ばせて頂きます。よろしくお願い致します。

柏原 玲子さん

濱川明日香様、本日の卓話楽しみにしております。どうぞ宜しくお願い申し上げます。

森 佳子さん

濱川様、本日の卓話楽しみにしております。

小笠 裕子さん

濱川様本日のテーマ、とても興味があります。どうぞ宜しくお願い申し上げます。

大橋 裕治さん

濱川明日香様、本日の卓話大変ありがとうございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

高倉 太郎さん

今年度も残り1か月となりました。最後まで、どうぞよろしくお願い致します。

5月30日 合計 26,000円 累計 1,646,000円

5月30日のお食事

5月30日のお食事

5月30日の例会出席率(暫定)

  • 会員の例会出席数(出席率) 34名(67%)
  • ゲスト・ビジターの参加者数 3名

※メーキャップを含めていない暫定の人数です。

次回のプログラム

令和4年6月20日
次年度会長主催
場所:グランドハイアット東京



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